かつては散らかった状態がデフォルトで、本気で片付けても1週間後には元通り…という、なんとも情けない生活を送っていたわたしですが、2年ほど前に一念発起して徹底的に部屋を片付けて以降、リバウンドせず綺麗な状態をキープすることができています。
これをきっかけに「ミニマリスト的な暮らし方」や「シンプルライフ」に興味をもち、2020年には日経WOMANのシンプルライフ特集に掲載していただいたことも。
この記事では、汚部屋を脱却してシンプルな暮らしを手に入れたわたしの片付け方法を紹介したいと思います。
部屋の片付けは5つのステップで行う
- 目標設定
- 物をすべて取り出す
- いる・いらないを分ける
- 物を元の場所に戻す
- 綺麗な部屋をキープする
ステップ1:目標設定
片付けのスタートはここから。
「せっかく片付ける気になったんだから、さっさと作業をさせてよ」と思われるかもしれませんが、ちょっとだけ待ってください。
やみくもに作業に取り掛かるのではなく、まずは準備運動から計画的に進めていきましょう。
ここでいう「準備運動」とは、片付けのゴールを決めること。
言い換えれば、自分の理想の部屋を具体的に言語化する、ということです。
あなたの理想とする部屋はどんな部屋でしょうか。
- ザ・ミニマリストという感じの、何にもないがらっとした部屋?
- 雑貨屋さんのような、可愛い小物が散りばめられた部屋?
- ホテルのような高級感の漂う部屋?
こんな感じで、人それぞれいろんな理想のイメージがあるかと思います。
そんなに意識の高い理想じゃなくても
- 使いたいものがすぐに取り出せる部屋
- 滅多なことでは散らからない部屋
こういったものも、立派な理想のひとつです。
また、一体どこまでの作業を片付けとするのかも、人によって本当にさまざま。
- どうせ片付けるなら、家具や雑貨にもこだわって、雑誌に載っているようなおしゃれな部屋にしたい
という人もいれば
- 機能性重視で、とにかく使いやすい部屋にしたい
という人もいるし
- 自分が使いやすければ、多少散らかっていても気にならない
という人もいます。
目指す場所はどうであれ、部屋を片付けようと思ったら、まずは「どんな部屋にしたいのか」ということをよく考えて、ゴールを明確にすることが大切です。
これから目指す方向性によって、今の状態からどんなアクションをどれくらい起こす必要があるのかが大きく変わってきます。
まずはぼんやりとでもいいので、ぜひ自分の理想の暮らしを思い浮かべて、そこまでの道筋に必要なことを考えてみてください。
ステップ2:物をすべて取り出す
ここからは、いよいよ片付けの実践的な内容に入っていきます。
まずは、物をすべて出すという作業から。
片付けをするなら、その日に片付けると決めた場所にあるものは、一度すべて取り出すのが原則です。
例えば、仕事がある日は
- 引き出し一段
- コスメポーチ
など、比較的小さな場所を
逆に時間の取れる日は
- クローゼット
- 靴箱
など、少し大きめの場所を選ぶなどの工夫をしつつ、その日に片付ける場所にあるものはひとつ残らず収納部分から出しましょう。
より完成度の高い部屋に整えたいという場合は、このタイミングで空になった場所を掃除するのもいいですね。
掃除のやり方
たまに「掃除のやり方を教えてください」とご質問をいただくことがあるのですが、掃除は「その場所が綺麗になる」という目的を果たせさえすればいいので、あまり深く考えなくて大丈夫です。
個人的には
この4つがあれば(ウタマロクリーナーは使わないこともあるくらい)だいたいどこでも掃除をすることができると思っています。
大きなゴミはそのまま手で、小さなゴミやほこりはコロコロで取り除いてから、例えば「こぼれた醤油の跡」のような、液体が乾いてできた汚れはウェットティッシュで、取り切れないものはウタマロクリーナーで拭き取っていきましょう。
最後に、濡れた場所をキッチンペーパーで拭き取れば、だいたい綺麗になるはずです。
ステップ3:いる・いらないを分ける
ここからは、片付けの一連の作業の中で一番大きな作業と言っても過言ではない「いる・いらないの選別」について説明していきます。
ものを手放すことは「絶対」ではない
物の要不要の話をする前に、ひとつ覚えておいてほしいのが「物を減らすことは絶対ではない」ということ。
物を減らすことに苦手意識があり、片付けをなかなか進められない…という人も多いと思うのですが、たとえ物が多くても、それらひとつひとつをきちんと管理することができればそれで問題ないわけで、物を減らすこと自体は片付けの必須条件ではありません。
ただ、現状で自分の持ち物をきちんと管理できておらず、部屋が散らかっている場合は、物の数が自分の管理のキャパを上回っていることが原因のひとつとして考えられ、そういった場合は物を減らして、物の数を自分の管理のキャパの中に収めることが結果的に最適解になり得るため、なんとなく
「片付け=物を減らす」
という図式が頭の中にある人が多いのだと思います。
ですが、片付けの目的は「部屋を自分にとって心地よい空間に整えること」なので、必要以上に「捨てなきゃ」と身構える必要はありません。
最近は、自分の代わりに物を管理してくれるトランクサービスなども充実しているので、無理して手放そうとせず、時にはこういったサービスを利用するのもひとつだと思います。
というわけで、前置きが長くなりましたが、物のいるいらないの判断方法について、いくつか役に立ちそうな方法をご紹介していきますね。
まず、自分にとっての明らかなゴミは躊躇なくゴミ箱、もしくはリサイクルショップなどに持って行くことを前提として、手放すかどうか迷った物に関しては
- 迷ったらとりあえず写真を撮る
- 手作り以外のものはだいたい再入手できる
- 「いつか使う」の「いつか」は来ない
この3つのことを意識しながら進めると、作業が捗りやすいかと思います。
基本的には、今現在使っておらず今後も使う予定のないものの中で、特に思い入れがなく苦痛を伴わずに手放せるものはどんどん手放して作業を進めていきますが、その中で気持ちに迷いが生じた時は、この3つの行動や考え方を参考にしていただけたらと思います。
1.迷ったらとりあえず写真を撮る
手放すことを躊躇してしまう大きな理由のひとつとして「これ(物)がなくなると、付随する記憶まで一緒になくなってしまうんじゃないか」という不安が考えられます。
思い入れのある出来事に絡んだものだったりすると特に、手放すのが怖くなってしまいますよね。
そんな時は、もちろん無理して手放す必要はないのですが、それを写真に収めてみると、不思議と躊躇なく手放す気になれることも多いです。
なので「手放したいけど手放せない」と思うものがある時は、ぜひ「とりあえず写真を撮ってみる」というアクションを起こしてみてください。
2.手作り以外のものはだいたい再入手できる
今の時代は、メルカリなどのフリマアプリも充実しており、手作りのものでなければたとえ今はお店で売られていないものであっても、探せばだいたいどんなものでも手に入れることができます。
そもそも、特別に思い入れのあるものでなければ、手放したところで「どうしてもまったく同じものを手に入れたい」と思うことはほとんどなく、仮にまた同じものが必要になったとしても、わざわざ探し回ったりせずに「今簡単に手に入れられるものでいいか」という気になれたりするもの。
もちろん、これも1と同様無理して手放す必要はありませんが「手放してしまったらもう二度と手に入らないかもしれない」という理由で手放すことを躊躇してしまう時は、ぜひこの考え方を活用してみてください。
3.「いつか使う」の「いつか」は来ない
「今は使ってないけど、もしかしたら今後使うことがあるかもしれない」という理由でなかなか物を減らせない場合はこの考え方が有効です。
もちろん適当に言ってるわけではなく、あくまでわたしの肌感覚ですが、これまで「いつか使うかもしれない」と思ってとっておいたもののうち、その後、本当に使ったものって実はほとんどないんですよね。
生活スタイルが大きく変わらない限りそもそも出番が来ることすらないし、本当に使う場面があってもその時には存在自体を忘れていて、何も考えずに新しいものを購入していたということが大半のように感じています。
なので基本的には、今使っていないものは今後も使うことはないと考えて大丈夫です。
▶︎関連記事:100着の服を20着まで減らしたミニマリストOLが考える、ストレスなく服を減らす方法
ステップ4:物を元の場所に戻す
物の収納場所を考える時にぜひ覚えておいてもらいたいのが「どこに何を置くべきかの正解はない」ということ。
物の最適な置き場所は人によって本当にさまざまです。
なんとなく
- クローゼットには衣類以外を入れてはいけない
- キッチンには食品以外入れてはいけない
みたいな固定概念を持ってしまいがちではありますが、実は「どこに何を入れるべきか」という決まりなんてありません。
さすがに、トイレに食品を置いたり、逆にキッチンにトイレ用品を置いたりすることには抵抗がある人が多いかと思いますが、
例えば、
- 朝食の支度の合間にメイクをするためにキッチンをメイクポーチの収納場所にする
というのも動線を考えた賢いアイディアだし、お風呂で読書をする習慣があるのなら、洗面台下収納を本の収納場所にするのも全然アリなわけです。
なので、まずは「ここにこれを置かないといけない」という固定概念を取り払って、「どこに何があれば生活しやすくなるのか」を一番に考えましょう。
また、使用頻度ごとに配置を決めるのもおすすめ。
頻繁に手にするものはクローゼットを開けてすぐの場所を定位置にしたり、逆に、脚立がないと届かない棚などにはあまり使わないものを配置するとバランスよく収納できるかと思います。
そして、むやみに収納グッズに頼らない心がけも大切です。
100円ショップや雑貨屋さんなどには、便利そうな収納アイテムがたくさん売られているので、つい「あったら便利かも」と思っていろいろ買いたくなりがちですが、収納アイテムがあることでかえって収納がしづらくなることだってあります。
そもそも、収納アイテム自体も「物」であることには変わりないので自分の持ち物が管理のキャパを超えないためにも、むやみに購入するのは控えたほうがよさそう。
ステップ5:綺麗な部屋をキープする
「物を元に戻したら片付けは終わりじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、最後にひとつ、大切なステップが残っています。
それは、片付け直後の綺麗な状態をキープするためのルールを作ること。
これまでの生活の結果が片付け前の部屋の状態なので、せっかく部屋を綺麗にしても、これまでと同じような使い方をすればまたいつか元の状態に戻ってしまいます。
なのでぜひ、最後までしっかり取り組んで片付けをコンプリートしていきましょう。
綺麗な部屋をキープするためには
- 管理のシンプル化
- 掃除習慣
この2つの行動が鍵となります。
例えば、服の管理ひとつとっても
- アイロン掛けの必要をなくすためにシワになりにくい服を普段使いする
- 洗濯物干し用のハンガーとクローゼット保管用のハンガーを兼用にする
- すべてハンガー管理にして洗濯物をたたむ必要をなくす
などなど、いろんな簡略化のアイディアがあるものです。
そして、心地よい空間をキープするためには、なんといっても定期的な掃除習慣が欠かせません。
とはいえ、忙しい毎日の中で掃除の時間を確保するのは本当に普段のかかることなので、 ルンバやブラーバなどのお掃除ロボットをうまく活用したり、掃除をする場所に優先順位をつけたりして、綺麗な空間を維持していきましょう。
片付けは終わらせられる
…こんな感じで、長々と書いてきましたが、基本的には
- 全部出す
- 仕分ける
- 元に戻す
といった3つのステップで部屋は片付くはず。
あまり難しく考えすぎず「片付けたいな」と思ったその時に、ぜひアクションを起こしてみてくださいね。
物の要不要や心地よい暮らし方は人によってかなり違いがあるので、ふわっとした表現に留まってしまった部分も少なくないかと思いますが、片付けのコツやその後の暮らしの仕組みづくりについて、少しでも何かのエッセンスを受け取ってくださっていたら嬉しいです。