前回の記事では、片付けの準備運動として、実際に片付けを始める前にやっておきたい「ゴール設定」の紹介をしました。
今回からは、いよいよ片付けの実践編。この記事では、片付けようと思った時にほぼ必ず通る道とも言える、物の要不要を判断する方法について書いていきたいと思います。
片付けへのプレッシャーが楽になる前提条件2つ
- 物を減らすことはそもそも絶対ではない
- これくらい物を減らさないといけないというノルマはない
物を減らすことはそもそも絶対ではない
物を手放すことに対して罪悪感や苦手意識を持っており、それが原因で片付けがうまく進まないと悩んでいる人って、結構少なくないんじゃないかな、と思います。
そんな人にぜひ知ってもらいたいなと思うことが、この、物を減らすことはそもそも絶対ではない、ということ。
別に物が多くても、それをきちんと管理して、きれいな空間を保つ仕組みを作ることができればいいわけで、物を減らすこと自体は別に片付けの必須条件ではないのです。
それなのに、片付け=物を減らすという図式がなんとなく元から脳にインストールされている気がするのは、家の中にある物の量が自分の管理のキャパを超えていることが部屋が片付かない理由だということを無意識のうちに認識しているからなのかも?
どんなことでも、キャパを超えると破綻するのは当たり前のことなので、それなら物を減らして、持ち物を自分の管理のキャパの範囲内に収めることが、結果的に片付けの最適解になりえるということなんだと思います。
物の管理には無意識のうちに自分で思っている以上の手間と労力を使っているもの。もし部屋の中に、大切な自分の時間を使ってまで管理するに値しないものがあるのなら、思い切って手放す選択をすることもひとつであることは確かだと言えそうです。
これくらい物を減らさないといけないというノルマはない
たまに「何をどれだけ減らした」という部分にフォーカスした話を聞くことがありますが、万人に共通した物の適量というものは存在しません。
頼れるのは自分の感覚だけ。服なら服、バッグならバッグと、種類ごとに、この先確実に使う予定があるものや絶対に手放したくない大切なものを抽出し、自分が確実に管理できる量を厳選していく必要があります。
でも正直、これはちょっと考えたくらいで結論が出るという話ではなく、日常の中で「こんなにいらないかも」とか「これだとちょっと少ないな」とか、そういうふとした瞬間の気づきを拾っていくことに尽きるのかな…と思っています。
なので、とにかく片付けの時は「これだけ減らさなきゃいけない」という考えは一旦横に置き、目の前の物ひとつひとつと向き合ってみることが大切です。
物の減らし方のポイント3つ
- 再入手可能なものは処分
- 思い出の品はとりあえず写真を撮る
- 「いつか使う」の「いつか」は来ない
物の減らし方は至ってシンプルで、自分の所有している持ち物すべてを取り出し、ひとつひとつと向き合って、要不要を判断するだけ。
言葉にするだけなら簡単なのですが、この「すべてを取り出す」というのが本当に大変で、それはそれは労力がかかるものなんですよね。
わたしの場合も、約26㎡の狭い部屋で、当時ひとり暮らし歴2年ちょっとだったにも関わらず、すべての持ち物を取り出して、要不要を判断するのには1ヶ月以上かかりました。
ですが、そこまで時間をかけてでも「すべてを取り出す」という作業は絶対に必要です。
なぜかというと、中途半端に出したり出さなかったりすると高確率で挫折するし、仮に終わらせたとしても、リバウンドすることが目に見えているから。
この作業は本当に大変なものですが、終わると何もかもがリセットされたような解放感が得られて本当に気持ちがいいものです。
なので、これを読んでくれている人の中で「これから片付けがんばろうかな」と思っている人がいたら、片付けると決めたからには、ぜひ最後まで終わらせてほしいなと思います。
長いお休みがあったりしてまとまった時間が取れるのなら、家中の物すべてをひっくり返して、いっぺんに終わらせるのもひとつの方法ですが、そうでない場合は場所ごとに区切って少しずつ作業をするのがおすすめです。
わたしは玄関からスタートして、今日は土間収納、今日は洗面台の鏡裏の収納、今日は洗面台の下…という感じで、場所ごとに細かく区切って作業をしていました。
その場所の物の量も見ながら、時間がかかりそうならその場所をさらに分割して、数日に分けて片付けるのもいいと思います。
とりあえずは、片付けると決めた場所にあるものを全部取り出して、ぱっと見ていらないと判断できるものはどんどん手放していきましょう。
…と、口で言うのは簡単ですが、物の要不要の判断は気持ちの部分が占める割合も多くて、実行はなかなか難しいもの。
ここでは、そんなわたしが心の負担なく持ち物の8割近くを減らすに至った、物の要不要の判断基準3つを紹介したいと思います。
再入手可能なものは処分
わたしの持っていたものは、そのほとんどがお店で買った既製品だったので
という考え方がけっこう効果的でした。
買おうと思えばまた買えるという視点が増えるだけで、なんか安心するんですよね。
全部が全部そうというわけではないですが、この視点を追加するだけでも気兼ねなく手放せるものはかなり増えると思うので、ぜひ試してみてください。
思い出の品はとりあえず写真を撮る
手作りのものや思い出のもの、手紙など、手放すのが心苦しいものっていろいろあると思います。
こういう思い出系のものは、悩んだらとりあえず全部写真撮影してみるのがおすすめ。
今のスマホのカメラは画質がいいので、手紙などの書類も、さっと撮っただけで文字が十分判別できるレベルになります。
手放すなんて無理だと思うようなものも、不思議と写真に残すと「手元に写真があるなら現物は別にいいかも」という気持ちになり、手放す決心がつくことも多いので、個人的にはかなりおすすめの方法だったりします。
ただ、上にも書いた通り、別に何をどれくらい減らさなければならないという決まりはないので、自分が管理できる範囲内なのであれば、つらい思いをしてまで手放す選択をする必要はないということも、ぜひ覚えておいてください。
「いつか使う」の「いつか」は来ない
片付けあるあるな言葉ですが、あるあるなだけあるな…と思わず納得してしまうくらい、その通りの言葉だなと思います。
わたし自身も、いつか使うかなと思って取っておいたものを次に思い出すのは、次の片付けでそのアイテムを目にした時、ということが本当に多いです。
たいてい使わないし、使ったとしてもそれを持っているということ自体を忘れて、新しく買って特に不自由なく過ごしてたりするものなんですよね。
これまで何度もこのパターンを経験してきたので「わたしはいつか使うと思った物を覚えてられないし、わざわざ覚えておく必要性も感じない」という考えに至り、今は使わないなと思う物を見つけたら、だいたい処分してしまいます。
どうしても判断に悩むものに関しては、ダンボールなどで「断捨離検討ボックス」を用意して、その中で一時的に保管してみたり、レンタルスペースや倉庫などを利用して、実際に身の回りから離して生活して、不便なことがないかを確認するのもいい方法だと思います。
物の手放し方
- 面倒くさがりには買取サービスがおすすめ
物の要不要の判断が終わると、今度はいらないと判断した物の処分方法に迷い、時間や手間を取られてしまうことがあります。
物の手放し方にはいろいろな手段があり、単にゴミに出すだけではなく、フリマアプリや買取業者を使ったり、寄付したりと、本当にいろんな選択肢が。
スムーズに手放すことができるのなら、どの方法を選んでもいいとは思うのですが「ゴミに出すのはもったいないけど、ひとつひとつアプリで出品するのは面倒」という人は、買取サービスを利用するのがおすすめです。
数ある買取サービスの中で、自分が手放したいと思っている物の取り扱いができるだけ網羅されているところを選び、まとめて出してしまえば、1日でいらないものを片付けることができます。
わたしはまさに「ゴミとして捨てるのはもったいないけど、フリマアプリでの出品は面倒」という思考だったので、当時検討した中で一番手放したい物の取り扱いが網羅されていた、トレジャーファクトリーの買取サービスを利用しました。
特に丁寧に使ったわけでもなく、なんなら結構適当に扱っていたダイニングセットが3,000円だったり、ファスナーが壊れている上にうがい薬のイソジンをこぼしたことのあるリモワのスーツケースが10,000円だったり、どちらも結構いい感じの価格帯だったので、これからもいらないものが出た時はトレジャーファクトリーを頼ろうかなと思っています。
地域差もあると思うので、住んでいる地域や持ち込める範囲内の地域の中でどんな買取業者があるのか、口コミも合わせてぜひリサーチしてみてください。
ただ、ここでの目的はあくまで物を減らすことなので、手放し方にこだわるあまり腰が重くなって結局手放せなくなるくらいなら、潔くすべて捨てるという選択をするのもひとつの賢い選択です。
もちろん、エコ的な観点では褒められたことではないと思いますが、「理想の暮らし」ではなく「物を手放すこと」が目的にならないようには気を付けたいですね。
まとめ
長くなってしまいましたが、まず片付けを始める前に
- 物を減らすことはそもそも絶対ではない
- これくらい物を減らさないといけない、というノルマはない
この2つを頭の片隅に置きつつ、実際に片付けを始めた時には
- 再入手可能なものは処分
- 思い出の品はとりあえず写真を撮る
- 「いつか使う」の「いつか」は来ない
という3つの判断基準を使ってみるということ、その時に出たいらないものの処分は、買取サービスが手っ取り早いとは思うものの、あまり手放し方にこだわりすぎず、物を手放すことが目的にならないようには気を付けましょう、というのがこの記事でお伝えしたかった内容です。
自分にとって本当に必要な物を見極める作業って、想像以上に神経や体力を消耗するもの。
ですが、一度この感覚をマスターすることができると、そのうち物の要不要だけに留まらず、知らず知らずのうちに思考や行動動線なんかにも波及していき、日常のあらゆる場面で自分の心を身軽にしてくれる心強い存在になったりします。
片付けは、やろうと思った時が始め時!ぜひ、人生を身軽にするひとつの方法として、試してみてください。
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